易経 · 六十四卦

周易・易経 第9卦 小畜卦(風天小畜、上卦巽・下卦乾)

小畜。通じる。密雲が立ちこめるが雨は降らない。我が西の郊外から起こる。

彖伝はいう。小畜とは、柔がその位を得て、上下がこれに応じることをいう。健やかでありながら柔順で、剛が中にあり志を行えるので、通じる。密雲が雨を降らせないのは、なお進み続けるからである。我が西の郊外から起こるのは、施しがまだ行われていないからである。

象伝はいう。風が天上を行くのが小畜である。君子はこれにならい、文徳を美しく修める。

易経 第 9 卦の本卦・互卦・錯卦・綜卦の図

易経 第 9 卦 原文と概説

『周易』第九卦の詳しい解説
小畜卦の原文
小畜。通じる。密雲が立ちこめるが雨は降らない。我が西の郊外から起こる。
象伝はいう。風が天上を行くのが小畜である。君子はこれにならい、文徳を美しく修める。
現代語による説明
小畜卦。吉。西の郊外一帯に濃い雲が集まっているが、雨はまだ降らない。
『象伝』はいう。上卦は巽で風、下卦は乾で天である。和らかな風が大地を吹き渡り、草木が低くなったり起き上がったりしながら盛んに生い茂る。これが小畜の卦象である。君子はこの卦象を観て、万物を促し育てる和風にならい、自らの風格を励み、徳の教えを広める。
『断易天機』による解説
小畜卦は上が巽、下が乾で、巽宮の初世卦である。小畜とは小さな蓄積、小さな障害を意味する。陽が盛んで陰が不足しているため、やむを得ず一時停止するが、最終的にはなお通じる。
北宋の易学者・邵雍の解釈
力が乏しく、前進を阻まれる。才能を隠して時を待ち、忍耐強く進む。
この卦を得た人は力が弱く、運勢も変転する。実力を蓄え、静かに機会を待つべきである。急いで進めば危険があり、何事も忍耐強く進めなければならない。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。平凡で目立たず、人に制約される。
財運。表面はよいが、内側では損失が多い。
家庭。小康だが、口論に注意する。よい女性を妻に迎える。
身体。風火に関わる病。子どもには吉、大人には凶。
伝統的な卦の解釈
この卦は異なる卦(下が乾、上が巽)が重なったもので、乾は天、巽は風を表す。風雨が順調で穀物が育つことを示すので、小畜(蓄)と名づけられた。力には限りがあり、一定の段階まで発展するのを待って初めて大きなことを成し遂げられる。
大象。蓄えられる量には限りがあり、力が思いに及ばない。したがって耐え忍んで実力を蓄え、静かに時機を待つのがよい。
運勢。運勢は変動し、口論や争いがあるが、短期間では解決しにくい。耐えて静かに時機を待つ。
仕事。時機はまだ熟していない。忍耐強く、積極的に力を蓄え、決して危険な行動に出てはならない。挫折に遭っても落胆せず、勇気を奮って困難を克服し、原則を守り、団結と協力を強め、各種の準備を早めに整えれば、成果を得られる。
商売。すでに一定の基盤はあるが、失う危険もある。特に慎重になり、他人と誠実に協力して共に利益を得るよう努める。決して欲張らず、ほどほどで止める。ただし現状に満足して、向上を目指さなくなってもいけない。
名声を求めること。大きな目標を立て、最大限の努力をして勝ち取る。他人に謙虚に教えを請い、誠実な助けを得て理想を実現する。ただし小人の妨害には警戒する。
結婚・恋愛。双方が非常に誠実でなければならない。第三者が割り込む可能性がきわめて高い。
決断。物事はあまり順調ではなく、前進の途中で予想外の困難に出会う。しかし本人の性格が強く、不利な条件を克服する意志を持つため、理想を実現できる。ただし小人に害される可能性が高いので、志を同じくする人々の誠実な助けを得て、障害を取り除かなければならない。得たものには満足し、ほどよいところで止める。過度に追い求めて、満ちれば損なうことを招いてはならない。

第九卦の哲学的意味

小畜卦は異なる卦が重なり、下卦が乾、上卦が巽である。乾は天、巽は風を表す。風雨が順調で穀物が育つことを示すため、小畜と名づけられた。「畜」の本来の意味は田の作物が密集して茂ることで、そこから蓄えるという意味が生じた。小畜とは少しずつ蓄えることである。力が限られ、大畜の段階にまだ達していないため、一定の段階まで発展するのを待って初めて大きなことを成し遂げられる。
小畜卦は比卦の後に位置する。『序卦伝』は次のように説明する。「親しみ結びつけば必ず蓄えるものがある。ゆえにこれを受けるに小畜をもってする」。互いに結びつけば必ず何かを蓄えるので、続いて小畜卦が置かれる。
象伝に「君子は文徳を美しくする」とある。荀爽は、これは西岐にいた周の文王がまだ天子になっておらず、恩沢や政令を民に施せなかったため、自らの徳を美しくするしかなかったことを指すと考えた。しかし実際には、この卦は周公が摂政した事を述べたものと見るべきである。周公は幼い成王に代わって天下を治めながら、自分は臣下であると考え続けた。そのため柔順な徳によって、陰爻の六四の位にいた。周公の東征は周公の統治を盛んにする基礎を築き、摂政して東征した後、西周の経済には小さな蓄積が生じた。

易経 第 9 卦 爻ごとの詳解

『周易』第九卦の初九爻の詳しい解説
初九の爻辞
初九。自分の道から戻る。何の災いがあろうか。吉。
象伝はいう。自分の道から戻ることは、その道理が吉である。
現代語による説明
初九。元の道から戻る。何の災いがあろうか。吉。
象伝はいう。元の道から戻ることは、その意味するところが吉である。
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。この爻を得た人は、従来の仕事を守るのがよく、新しいことを始めるのはよくない。計画を立てる人は、猜疑や迷いが招く災いに注意する。官職にある人は、閑職から復職することがある。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。退いて身を守れば、災いも困難もない。
財運。従来の仕事を安定して守り、新しいことは始めない。
家庭。外に求めなければ、家運は自然に通じる。
身体。静かに休養すれば回復できる。

初九の変卦
"周易第9卦的其中之一变卦卦的卦图
初九爻が動くと、『周易』の57卦、巽為風となる。この卦は同じ卦(下も巽、上も巽)が重なったもので、巽は風を表す。二つの風が重なり、長い風が絶えず吹いて、あらゆる隙間に入り込む。巽はまた、従順で謙虚な態度と行いを表すため、どこへ行っても不利がない。

初九爻の哲学的意味

卦象から見ると、初九は陽爻が剛位にあるため得位している。しかし、剛健で性急に進む性質を持つ。
運行するすべての天体には、それぞれ固有の軌道がある。自分の軌道に従って進めば、過ちもなく、調和と吉祥が得られる。この卦を得た人は、この道理を理解すべきである。
自分が得意でないことをしたい、別の分野へ転職したい、慣れていないことに取り組みたいと思っているなら、今は行動しないのが最善である。あなたにとって最も大切なのは、本来の位置に戻ることだ。自分の本性に反すること、性格に合わないこと、あるいは得意でないことをしていると気づいたなら、すべきことは「自分の道」へ戻ることである。
「自分の道から戻る」とは、元の道へ戻ることである。
『周易』第九卦の九二爻の詳しい解説
九二の爻辞
九二。引かれて戻る。吉。
象伝はいう。中にあって引かれて戻るので、自分を失うこともない。
現代語による説明
九二。引かれて戻る。吉。
象伝はいう。引かれて戻るのが吉なのは、九二が下卦の中央にあり、人が中正な行いをするようなものだからで、当然、過ちを犯さない。
北宋の易学者・邵雍の解釈
吉。この爻を得た人は他人の助けを得て、計画が思いどおりに進む。官職にある人には昇進の機会がある。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。他人の力で事を成し、利益を得て大いに吉。
財運。新しく事業を始めるのも、既存の事業を守るのも、どちらもよい。
家庭。兄弟が仲良く、家運が栄える。
身体。持病が再発するので、養生に注意する。

九二の変卦
"周易第9卦的其中之一变卦卦的卦图
九二爻が動くと、『周易』の37卦、風火家人となる。この卦は異なる卦(下が離、上が巽)が重なったもの。離は火、巽は風である。火が熱気を上昇させ、風となる。すべての事物は内側を根本とし、そこから外へ広がるべきである。内に起こったことが外に形を成す。まず家を治め、それから天下を治めることを表し、家道が正しければ天下は安らかになる。

九二爻の哲学的意味

卦象から見ると、九二と初九は結びついており、どちらも本来の位置へ戻ることに関係する。初九は自覚によって本位へ戻るが、九二は外力や外的事情によって、やむを得ず本位へ戻らなければならない。例えば外へ出て挑戦したくても、両親や家族が強く反対するなら、そのときは行かないのが最善である。
したがって、この爻は手を携えて元の場所に戻ること、あるいは強く引きずられて元の位置に戻ることも示し、吉祥で災いがない。何かをしようとして忠告や妨害を受けたなら、あきらめるとよい。本来の位置に戻れば、吉祥を得られる。


『周易』第九卦の九三爻の詳しい解説
九三の爻辞
九三。車の輻が外れる。夫婦が互いに反目する。
象伝はいう。夫婦が反目するのは、家庭を正しく治められないからである。
現代語による説明
九三。車輪が一つ壊れる。夫婦が互いに口論する。
象伝はいう。夫婦が口論するのは、家庭を治められないことを示す。
北宋の易学者・邵雍の解釈
凶。この爻を得た人は、栄誉を得ても辱めを受け、進んでも退かされることがある。また足や目の病、夫婦の反目、君臣の疎遠、友人間の是非、血気の損傷などが生じる。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。陰が盛んで陽が衰え、内外ともに安らかでない。
財運。逆向きに行えば利益を得られる。
家庭。家庭が不和で、結婚には不利。
身体。陰陽の状態が不明確なので、よい医師を慎重に選ぶ。

九三の変卦
"周易第9卦的其中之一变卦卦的卦图
九三爻が動くと、『周易』の61卦、風沢中孚となる。この卦は異なる卦(下が兌、上が巽)が重なったもの。孚の本来の意味は孵化で、卵がかえる日は非常に正確であることから、信の意味を持つ。卦の形は外が実り、内が虚で、心中の誠実を表すため、中孚卦と呼ばれる。これは身を立て世を処する根本である。

九三爻の哲学的な意味

この爻を得た人は、「外れる」「反目する」という二つの言葉に注意しなければならない。車を運転するなら車輪を点検し、スペアタイヤも用意すること。既婚者なら、車体と輻が外れるように、夫婦が反目して不和になり、さらには離婚する可能性にも注意する。
象伝はいう。「夫婦が反目するのは、家庭を正しく治められないからである。」
象伝のこの言葉は、夫婦が不和になるのは、夫が妻を正しく扱えないためだという意味である。このような場合は、夫婦関係をうまく処理することに注意しなければならない。車体が輻から外れれば前進に必ず影響し、あらゆる面でつまずくのと同じである。
象伝に「夫婦が反目するのは、家庭を正しく治められないからである」とある。これは、臣下が君王の上に立ち、臣下として振る舞えないために反乱が起こることを指摘している。これが、周公が摂政となったばかりの時期の政治的背景である。
『周易』第九卦の六四爻の詳しい解説
六四の爻辞
六四。誠があれば、流血は去り、恐れもなくなる。咎なし。
象伝はいう。誠があれば恐れが去るのは、上と志を合わせているからである。
現代語による説明
六四。捕虜を捕らえ、戦争の危険はいったん去ったが、災いを避けるにはなお警戒を保たなければならない。
象伝はいう。捕虜を捕らえ、なお警戒を保つのは、まだ志を一つにできることを示す。
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。この爻を得て誠実に振る舞う人は、人間関係が和合し、計画もかなり成就する。官職にある人は上司に引き立てられ、長く同じ職にいる人は運が開ける。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。争いを絶対に避け、遠くへ退避する。昇進は上司の引き立てに頼る。
財運。北西はよく、東南はよくない。近隣が助けてくれる。
家庭。適切に管理すればよいが、そうでなければ苦労を背負う。
身体。緊張を解いて治療する。乾燥させる強い薬は適さない。

六四の変卦
"周易第9卦的其中之一变卦卦的卦图
六四爻が動くと、『周易』の1卦、乾為天となる。この卦は同じ卦(下も乾、上も乾)が重なったもの。天を象徴し、徳と才能を備えた君子である龍を表す。また純粋な陽、調和、健やかさを象徴し、隆盛と強健を示す。万物が変化し通じる道理に基づき、乾卦は「元・亨・利・貞」を卦辞とし、吉祥と願いの成就を表し、人に天道の徳を守るよう教える。

九四爻の哲学的意味

「誠がある」とは、信義があることを指す。「血が去る」とは、流血事件から遠ざかること。「恐れが出る」とは、もはや恐れなくなること。この爻辞の意味は、心に誠実さを抱けば、傷害を免れ、恐れから抜け出し、災いがなくなるということである。
この爻を得た人は、何かを選択し、行動しようとしているのかもしれない。覚えておくべきことは、行動する際には必ず心に誠実さを持つことである。そうすれば流血を避け、過ちを犯さずに済む。ただし指導者にとっては、自分が誠実であるだけでは足りず、部下も仕事をする際に自分に誠実であるよう保証しなければならない。
象伝はいう。「誠があれば恐れが去るのは、上と志を合わせているからである」。誠実さによって人を登用し、恐れから離れることは、上位者の意志に合致するという意味である。ここから、上司の意志に合わせるべきだと分かる。陶謙が曹操の意志に合わせたのはその例だが、実行に際して彼の部下の張は陶謙と意志が合わず、結局、事を失敗させ、困難と恐怖に陥った。
しかし卦象から見ると、六四は陰爻が柔位にあり、得位している。君主に近い大臣として九五に謙虚に従い、下位の者にも誠実に接し、下卦の性急に進もうとする爻を本位へ戻るよう諭す。そのため最終的に危険を脱し、恐れを免れることができる。
『周易』第九卦の九五爻の詳しい解説
九五の爻辞
九五。誠があり、固く結びつく。隣人とともに富む。
象伝はいう。誠があり固く結びつくのは、一人だけが富むのではないからである。
現代語による説明
九五。捕虜を捕らえて連ね縛り、その財物を隣の邑と分かち合う。
象伝はいう。捕虜を捕らえて連ね縛り、財物を隣の邑と分かち合うのは、一人だけが独占するのではないからである。
北宋の易学者・邵雍の解釈
吉。この爻を得た人は他人の助けを得て、どの計画も思いどおりに進む。官職にある人は上司に評価され、部下に支持され、徳望が高まる。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。一時的に通じ、何をしても不利がない。
財運。商品が集まり、大きな利益が自然に生じる。
家庭。豊かで尊ばれ、隣人にも恵みが及ぶ。
身体。手足のしびれの病。

九五の変卦
"周易第9卦的其中之一变卦卦的卦图
九五爻が動くと、『周易』の26卦、山天大畜となる。この卦は異なる卦(下が乾、上が艮)が重なったもの。乾は天で剛健、艮は山で篤実を表す。畜は蓄積、大畜は大きな蓄えを意味する。そのため、重大な困難や険阻を恐れず、努力して身を修め、徳と功業を豊かにする。

九五爻の哲学的意味

卦象から見ると、九五は陽爻が剛位にある君主の位であり、中を保ち正を守るため、皆の支持を深く得ている。
九五の爻辞もやはり誠実さを説いており、自分だけのためにするのではなく、皆と緊密に団結しなければならない。この場合、誠実さは人を助けることによって実践される。「隣人とともに富む」とは、隣人も豊かにすることである。
象伝はこの句を「誠があり固く結びつくのは、一人だけが富むのではないからである」と説明する。「一人だけが富むのではない」とは、皆が、まずは隣人も豊かになるようにすることである。
この卦を得た人は、仕事や商売をするとき、自分だけを考えず、他人にも利益を得させることを心がける。特に親族や友人、近隣の人を助けるべきである。いつも自分のことだけを考え、自分は非常に裕福なのに周囲の隣人が貧しいままなら、自分の暮らしも落ち着かないものだ。だから他人を助け、身近な人々と調和して付き合い、互いに利益を得られるようにする。
『周易』第九卦の上九爻の詳しい解説
上九の爻辞
上九。雨が降り、落ち着く。なお徳を積み載せる。女性が貞を守るのは危うい。月が満ちようとしているとき、君子が出征・出立するのは凶。
象伝はいう。雨が降り、落ち着いたのは、徳が積み重なって充実したからである。君子の出立が凶なのは、危険に満ちた道の実情を疑い知り得ていないからである。
現代語による説明
上九。長雨がようやく止み、まだ作物を植える時期には間に合う。女性がこの爻を得るのは凶。太陰暦のある月の十四日に、君子が家を出て旅立つのも危険である。
象伝はいう。長雨がようやく止み、農期を逃していないので、豊かに実り、満ちた収穫を得られるはずである。君子が家を出て旅立つのが危ういのは、危険に満ちた旅の実情を理解していないからである。
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。この爻を得た人は小人に悩まされる。徳を修め身を養い、みだりに進まなければ災いを免れられる。女性がこの爻を得るのは凶で、君子が家を出て旅立つのは危険である。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。長く抱いてきた願いが、ついにはかなう。
財運。利益を得たら止め、過度の欲を決して避ける。
家庭。初めは困難だが、後には通じる。
身体。栄養の取り過ぎに注意する。
上九の変卦
"周易第9卦的其中之一变卦卦的卦图
上九の爻が変じて、周易の第5卦「水天需」となる。この卦は異なる卦が重なったもので、下に乾、上に坎がある。下卦の乾は剛健を意味し、上卦の坎は険難に陥ることを意味する。剛強な力で険難に出会ったときは、安定と慎重さを保つのがよく、軽率に行動してはならない。時勢を見守り、変化を待てば、進む先では必ず成功する。

上九爻の哲学的意味

この爻は、小畜の蓄積が最後に達し、盛んになり極まって衰えることを表す。雨が降った後は現状に安んじ、さらに貪欲に求めてはならない。ほどよいところで止める道理を理解しなければならない。
卦象から見ると、上九は陽爻が柔位にあるため失位し、しかも中道を守れず、険悪な徳をもって大胆に妄動する。妻が夫を支配するようなもので、陰が盛んなことを表す。満月に近づくと月は太陽に匹敵し、陰が極まると陽と争うため、君子はやむを得ず出て行く。ゆえに凶である。
小畜卦は主に力を蓄えることを説くが、蓄積はすでに限界に達している。蓄えが過度に豊かになると、かえって損失を招く。この爻は、満ちることを通じて、蓄積はほどよいところで止めるべきだと改めて戒めている。
この爻を得た人は、夫婦関係で女性が強く男性が弱い状態になる。女性は必ず自分を抑えるべきで、さらに強く出すぎると、夫が家を出たり離婚したりする可能性がある。