易経 · 六十四卦

周易・易経 第14卦 大有卦――火天大有、上卦は離・下卦は乾

大有――大いに通達する。

彖伝にいう。大有は、柔爻が尊い位を得て大いに中にあり、上下の爻がこれに応じるので、大有という。その徳は剛健で明らかであり、天に応じて時に従って行動する。だから大いに通達する。

象伝にいう。火が天の上にあるのが大有である。君子はこの象を見て、悪を抑え善を広め、天の恵みある命に従う。

易経 第 14 卦の本卦・互卦・錯卦・綜卦の図

易経 第 14 卦 原文と概説

周易第十四卦詳解
大有卦原文
大有。大いに通達する。
象伝にいう。火が天の上にあるのが大有である。君子はこの象を見て、悪を抑え善を広め、天の恵みある命に従う。
現代語による説明
大有卦――盛んで、すべてが通じる。
象辞はこう説く。本卦の下卦は乾で天を表し、上卦は離で火を表す。火が天の上にあり、四方を明るく照らすのが大有の卦象である。君子はこの卦象を観て、火にならい、善悪を洞察し、悪を抑え善を広め、天命に従って幸運を得るよう祈る。
『断易天機』による解説
大有卦は上が離、下が乾で、乾宮の帰魂卦である。柔爻が尊位を得て、悪を抑え善を広め、財と利益が豊かになることを表す。天命が帰するところとなり、人心を得ることを象徴するので、吉である。
北宋の易学者・邵雍の解釈
太陽が天の中央に輝き、万物をあまねく照らす。大いに富み栄えるが、満ちたものを保ち、泰平を守らなければならない。
この卦を得た人はまさに好運にあり、何事も吉で大きな収穫がある。ただし物事は極まれば必ず反転し、盛んになりすぎれば衰えるので注意が必要である。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運――この上なく順調で、大いに才能を発揮する。
財運――思い切って行えば、財が自然に集まる。
家庭――善行を積んだ家には、子孫がそれを守る。
健康――虚火が上昇するので、慎重に診察と治療を受ける。
伝統的な卦の解釈
この卦は異なる卦(下が乾、上が離)が重なったもの。上卦は離で火、下卦は乾で天である。火が天の上にあり、万物をあまねく照らす。民は帰順し、天と時に従うことで大きな成果を成し遂げる。
大象――太陽が天にあり、地上の万物をくまなく照らす。しかし五つの陽爻が一つの陰爻を争うので、満ちれば必ず欠けることを知るべきである。
運勢――時と運に恵まれ、栄えて大いに吉。ただし物極まれば反転し、盛んになりすぎれば衰えるので注意する。
仕事――すでに一定の成果を上げている。最も忌むべきは、得意になって無謀に振る舞うことである。必ず悪を止め善を広め、中正を守り、正直な友と交わり、戒めと慎みをもって勤勉に努めること。大きくても満ちきらず、満ちてもあふれない状態を実現すれば、仕事は新たな段階へ進める。
商売――隆盛で、困難な状態を脱して発展段階に入っている。財を貪る心を抑え、誠実の原則を固く守り、公平に人を扱い、勤勉倹約に努めること。特に市場の動向を常に見守り、時機に応じて方向転換すれば、長く続けられる。
名声を求める――すでに少し名が知られているが、そこで満足して歩みを止めてはならない。特に世俗的な仲間内に埋没してはならない。努力を続け、真の友の助けを得て、さらに高い段階へ進むべきである。
結婚・恋愛――条件は恵まれ、選択肢も多いので、慎重に進めるのがよい。双方の家庭をできる限り守るべきである。
決断――意志が強く、困難に打ち勝つ勇気があり、向上心をもって努力する。前進の途中には困難や不運が多いが、真剣に対処してこそ成功を重ねられる。警戒を緩め、傲慢でうぬぼれると、惨敗を招く。友人が多く交際範囲も広いので仕事に大いに役立つが、その中には足を引っ張る小人もいる。

第十四卦の哲学的意味
大有は乾と離からなる異卦で、上卦は離で火、下卦は乾で天である。火が天の上にあり、万物をあまねく照らす。民は帰順し、天と時に従って大きな成果を上げる。
火天大有は、次の意味からこの名を得ている。乾は剛健、離は明るさを表す。剛健な行動で明るい方向へ努力すれば、成功の望みは大きく、必ず得るものがある。乾は剛健で内卦なので、
心の内に美徳があることを示す。離は明るさで外卦なので、外に現れる手段も明朗で公正であることを示す。このように内外が一致した美徳を備えてこそ、真の大有である。
火天大有は同人卦の後に位置する。『序卦伝』はこう説明する。「人と同じくする者には、物が必ず帰する。ゆえに大有をもってこれを受ける」。志を同じくする人を見つけ、皆が力を合わせて事を行えば、物産は自然に豊かになる。だから次に大有が来るのである。
象伝にいう。火が天の上にあるのが「大有」である。君子はこの象を見て、悪を抑え善を広め、天の恵みある命に従う。
この文は、大有の卦象が下に乾(天)、上に離(火)であり、天の上に火がある象を表すという意味である。炎が天高く掲げられているのは、太陽が万物を照らし、世界が一面に明るく、農業が大豊作となること、すなわち「大いに得る」ことを象徴する。「天に従い、命を休める」とは、「従う」は服従すること、「休める」は自然の成り行きに従うことをいう。
「大有」の時に道をわきまえた人がなすべきことは、ただ「天道」に従うことであり、自分の運命を過度に心配する必要はない。この時、君子は悪を抑え、あらゆる善行を称え、天命に従い、天に代わって道を行い、万物の生命を守るべきである。したがって、悪を抑えて善を広め、天に従い、命を休めることを必ず心がけなければならない。
大有の卦は、天に従い時に応じる道理を示し、上上の吉卦に属する。大きな収穫や豊かさを象徴し、初めから順調で、繁栄し、盛んに通じる。占いでは大有は最上級の吉卦であり、官職を求めれば官職を得、財を求めれば財を得る。途中に多少の紆余曲折があっても、必ず願いどおりになる。『象』はこの卦を次のように判断する。「木を切り雀を探るように、事は堅実に進む。是非や口争いは自然に消える。婚姻や共同事業には苦労が要る。失せ物を尋ねるなら、まだ逃げ去ってはいない。」
大有の卦象は、上卦が離で火、下卦が乾で天であり、火が天まで燃え上がる象である。ことわざに「皆で薪をくべれば火炎は高くなる」という。人々が一つの火の周りに集まるのは同人の卦だが、各人が薪を一本ずつ火に加えれば、炎を天まで燃え上がらせることができる。人々が団結してこそ、より大きな力と収穫を得られるのである。また、離は太陽、乾は天なので、大有には太陽が中天にある象もある。正午の太陽は最も明るく熱いため、古代にはしばしば物事の最盛期を「日中」と表した。

易経 第 14 卦 爻ごとの詳解

周易第十四卦・初九の爻の詳しい解説
初九の爻辞
初九。害と交わらなければ、咎はない。困難にあっても、咎はない。
象伝にいう。「大有の初九は、害と交わらないのである。」
現代語による説明
初九。互いに害してはならない。そうすれば災いはない。困難の中にあっても、災いはない。
『象辞』にいう。「大有初九の爻辞は、互いに害してはならないということである。」
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。これを得た者は心が定まらず、小人に侮られて苦労が多く、年長者には災難があるかもしれない。官職にある者は、勢いのあるうちに退くべきで、栄華や富貴を貪ってはならない。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。刻苦して自らを励まし、好運を待つ。
財運。基礎を築き始めたところなので、初めを慎めば害はない。
家宅。新たに得た富は喜ばしい。大切にすべきである。
身体。健康に問題はない。訴訟事は解決するのがよい。

初九の変卦
"周易第14卦的其中之一变卦卦的卦图

初九の爻が変じると、周易の50卦、火風鼎となる。この卦は異卦で、下に巽、上に離が重なる。木を燃やして食物を煮ることで、生のものを熟したものへ変え、古いものを除いて新しいものを立てる意を表す。鼎は貴重で重い器であり、三本の脚が安定を示す。食物を煮ることは、食料が十分で、もはや困難や悩みがないことのたとえである。この基盤の上で改革し、事業を発展させるのがよい。

初九爻の哲学的意味

初九は同人卦の最初の状態を表す。陽爻が陽位にあり、正位を得て勢いもある。九四とは同性なので反発し、応じていないが、そこには私情がなく、人との交わりが公正で広いことも表れている。だから「門の外で人と交わる」というのである。卦辞の「野」における広い大同の境地にはまだ達していないものの、一門内の狭い近親関係はすでに超えている。このように広く人と交われば、当然過ちはない。
物事を行うとき、公の心をもって私心なく、自分の弱点をかばわなければ、志を同じくする人を得て、ともに事業を切り開くことができる。
家を出て、志を同じくする人々と集うのに、どうして過ちがあろうか。問題が起きたとき、外に出て皆の助けを求めるのに、どうして過ちがあろうか。家を出て自分の小さな輪から離れ、民衆の中へ入るのに、どうして過ちがあろうか。これが「門において人と親しむ。咎はない」という意味である。古代中国では、重大な事柄で君主にも解決できないものがあると、皇榜を掲げ、天下の有能な人々に解決を求めた。
この皇榜は通常、午門の外や城門のそばに掲げられ、より多くの人が見られるようにした。これが「門において人と親しむ」ということである。
したがって「門において人と親しむ」には、天下の賢人に助けを求める意味と、民衆と一体になる意味の両方がある。これらを実行できれば、必ず過ちはない。
周易第十四卦・九二の爻の詳しい解説
九二の爻辞
九二。大きな車で荷を運ぶ。行くべき所があり、咎はない。
象伝にいう。「大きな車で荷を運ぶ。中に蓄えたものが失われないのである。」
現代語による説明
九二。大きな車に物や人を載せ、明確な目的地へ向かえば、災いはない。
『象辞』にいう。「大きな車で物や人を運ぶ。車の中に積んだものは散らない。」
北宋の易学者・邵雍の解釈
吉。これを得た者は計画が進み利益を得て、財利も豊かになるが、老人の健康には不利である。官職にある閑職の者は重用される。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。ちょうど幸運が訪れ、一路順風である。
財運。国内でも海外でも、利益を得られる。
家宅。転居してよい。
身体。遠方へ出て治療を受けるとよい。訴訟は勝つ。

九二の変卦
"周易第14卦的其中之一变卦卦的卦图

九二の爻が変じると、周易の30卦、離為火となる。これは同卦で、下も離、上も離である。離は麗、すなわち付着を意味し、一陰が上下二陽に付着している。この卦は火を象徴し、内は空しく外は明るい。離は火であり明である。太陽は昇り沈むことを繰り返し、休むことなく運行し、柔順を心とする。

九二爻の哲学的意味

宗は宗族を指す。吝は偏狭さ、けちさを指す。
卦の象から見ると、六二は陰爻で陰位にあり、正しい位置を得て中正を保っている。また、九五と陰陽が応じるため、通常なら吉の象である。しかし、この同人の卦では、応じることが私情や私心の存在を表す。この卦が示すのは、天下が一つになる理想の世界であり、そこでは公正かつ無私に人と交わらなければならない。したがって、六二と九五が応じることは、かえって不利な関係となり、ふさわしくない。これは、氏族の内部だけで付き合い、同じ姓の者とのみ交わすようなもので、そこには私心がある。このような一族中心の付き合い方は、誤りだとは言い切れないものの、称賛に値するものでもない。この爻は、さらに氏族意識を打ち破り、友人の輪と交際の範囲を広げるべきだと説いている。同族の人だけに親しくしていると弊害が生じ、物事を進めるのも必ず困難になる。もっと遠くを見渡し、外の世界と積極的に接するべきである。
象伝にいう。「宗廟の中だけで人と親しむ」のは恥辱に至る道である。これは、各階層の人々を結束できないことが、問題を引き起こす根本原因だと教えている。何かを成し遂げたいなら、同族の人だけに頼ってはならない。特に夫婦経営や家族経営の事業は、処理を誤ると利益をめぐって互いに疑い、肉親の情を傷つけることがある。
この境界を打ち破り、上下の人々を結束させれば、事業にとってより有利になる。
周易第十四卦・九三の爻の詳しい解説
九三の爻辞
九三。公が天子に宴を献ずる。小人にはそれができない。
象伝にいう。「公が天子に宴を献ずる。小人であれば害となる。」
現代語による説明
九三。天子が公侯を宴に招く。小人は参加できない。
『象辞』にいう。「天子が公侯を宴に招く。(小人が参加できないのは)小人が国政に関われば、国家の災いとなるからである。」
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。これを得た者は災難に遭い、歩むのも困難になるので、小人に近づいてはならない。官職にある者は重任を受け、学ぶ者は良い成績を収める。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。顕栄の時だが、賄賂を取れば必ず敗れる。
財運。名誉と利益がともに来る。小人に近づいてはならない。
家宅。祝いの宴があるが、召使いには注意せよ。
身体。飲食に注意し、争いを起こしてはならない。

九三の変卦
"周易第14卦的其中之一变卦卦的卦图

九三の爻が変じると、周易の38卦、火沢睽となる。これは異卦で、下に兌、上に離が重なる。離は火、兌は沢である。上に火、下に沢があり、互いに背き助け合わない。克し合えば生じ、往復して空しいことはない。万物には違いがあり、違いがあれば異なり、互いに矛盾する。睽とは矛盾である。

九三爻の哲学的な意味

九三――「草むらに兵を伏せ、高い丘に登る。三年にわたり事を起こせない」の爻辞解釈
伏(ふく):伏兵を置く、身を潜める、戦おうとしても出てこないこと。戎(じゅう):軍隊、兵士。莽(もう):荒れ野の草むら、茂みや森林。升(しょう):登ること。陵(りょう):丘、山丘。
この爻辞は、軍隊を密林や草むらに伏せ、近くの高所を占めて見張り、三年たっても軽々しく出兵しないという意味である。
他の爻との関係から見ると、九三は次のようにたとえられる。六二は陰爻で女性を表し、九三は陽爻が陽位にあり、下卦の最上位にいるので男性を表す。卦全体で最も勢力が強いのは九五で、同じく陽爻が陽位にあり、君主の位にいる。九三よりさらに強い男性である。九三は小国の君主で、九三より強い外国の君主が、九三の領内にいる美女に目をつけた。強大な外国の君主の機嫌を取るため、九三はその美女を和親のために送り出そうとしたが、本人が美女を見て、無理に留めて自分と結婚させた。相手の君主が怒って攻めてくることを恐れ、自分では敵わないため、爻辞に描かれるように、兵を草むらに伏せて常に警戒した。幸い同盟国は攻めてこず、災いは起こらなかった。
この爻を得た人は、外界との関係を維持することに注意すべきである。自分の私利のために、盟友との関係を一触即発にし、自分を疲れ果てさせ、恐怖と不安を招いてはならない。
草むらに兵器を伏せ、三年も敵と正面衝突する勇気がないとは、実に慎重である。しかし慎重であれば大きな過ちを犯さず、草むらでの暮らしが苦しくても戦力を温存できる。これはなお、高宗が鬼方を討ったことを指しているのかもしれない。鬼方は古代中国北西部の部族である。中国北方の民族は昔から勇猛で好戦的だったので、高宗の遠征は当初、必ずしも有利ではなかっただろう。敵があまりに強いとき、どうすればよいのか。機会を待つしかない。草むらに伏兵を置き、新しい作戦配置を研究し、敵を一挙に殲滅できる機会を探す。「三年興らず」とは、実は三年後に初めて興る、つまり三年後に敵を打ち破るということである。強敵に対して取るべき戦略と戦術である。
周易第十四卦・九四の爻の詳しい解説
九四の爻辞
九四。盛大に見せびらかさない。咎はない。
象伝にいう。「盛大に見せびらかさないので咎はない。明らかに見分けているからである。」
現代語による説明
九四。日干しにした巫女を用いて雨を祈る。旱魃は深刻だが、災いはない。
『象辞』にいう。「悪人悪事に反対しても災いはない。明らかに観察し、見分けているからである。」
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。これを得た者は常道を守れば害を避けられる。目に病が出ることがある。官職にある者は現状に安んじ、急進しなければ災いを免れる。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。満ちた状態を守り、安泰を保つ。足るを知れば辱めを受けない。
財運。利益はすでに十分である。これ以上貪って求めてはならない。
家宅。栄えて美しく見事だが、満ちれば損を招く。
身体。膨張を伴う病。

九四の変卦
"周易第14卦的其中之一变卦卦的卦图
九四の爻が変じると、周易の26卦、山天大畜となる。これは異卦で、下に乾、上に艮が重なる。乾は天で剛健、艮は山で篤実を表す。畜は蓄積であり、大畜は大きく蓄える意である。だからこそ深刻な困難や険阻を恐れず、努力して身を修め心を養い、徳と業を豊かにする。

九四爻の哲学的意味

同人卦第四爻・爻辞――九四:敵の城壁に登るが、攻めない。吉。
この爻を得た人は、時機を見て諦めることを知るべきである。城壁に登って敵と戦おうとしたのに、攻撃を断念する。それによってかえって吉の結果を得られる。
象伝にいう。「敵の城壁に登る」が、義に照らせば攻めることはできない。その「吉」は、迷いの中で時機よく悟り、正しい方法に立ち返って行動するところにある。
周易第十四卦・九五の爻の詳しい解説
六五の爻辞
六五。その誠信が互いに通じ、威厳もある。吉。
象伝にいう。「その誠信が互いに通じるのは、信によって志を表すからである。威厳が吉なのは、自然体で備えを要しないからである。」
現代語による説明
六五。攻めて来た敵を固く縛り、厳しく罰する。吉。
『象辞』にいう。「その人は誠実で率直である。誠をもって志を示すからである。人々を威服させることが吉なのは、人々が畏れ敬えば、安らかで疲弊しないからである。」
北宋の易学者・邵雍の解釈
吉。これを得た者は時機を見て行動し、決して傲慢で自負してはならない。自ら災いを招かないためである。官職にある者は進むより退くのがよい。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。皆が信服し、晩年の運も順調である。
財運。人の和が何より大切で、富むのは難しくない。
家宅。一家が和睦するが、盗賊には注意せよ。
身体。外見を保つ。

六五の変卦
"周易第14卦的其中之一变卦卦的卦图
六五の爻が変じると、周易の1卦、乾為天となる。これは同卦で、下も乾、上も乾である。天を象徴し、徳と才能を備えた君子として龍をたとえに用いる。また純粋な陽と健やかさを象徴し、繁栄と強健を示す。乾卦は万物が変化し通じる道理に基づき、「元・亨・利・貞」を卦辞とし、吉祥円満を表し、人に天道の徳を守るよう教える。

九五爻の哲学的意味

同人卦第五爻・爻辞――九五:人々と親しむ。初めは大声で泣き、後に笑う。大軍が合流して勝利する。
象伝ではこの爻をこう説明する。同人の初めに泣くのは、中正でまっすぐだからである。大軍が出会うとは、天の網が極みに達して上で出会い、互いの軍勢が勝敗を決するということである。
初めに大声で泣くのは、心が中正で誠実であり、戦いの勝敗が分からないため焦り、泣き叫ぶことを表す。大軍が志を同じくする者と出会い、ついに戦争に勝利するので、喜び笑うのである。
志を同じくする人を探すときには、必ずある程度の抵抗があり、簡単には見つからない。そのため深く苦しむこともあるだろう。しかし諦めずに障害を乗り越えれば、ついには目的を達し、笑顔になれる。
この爻を得た人は、協力者との交渉が行き詰まっているとき、思いがけず第三者が現れ、物事が自分に有利な方向へ進むことがある。そのときは第三者を「同人」とみなし、戦果を広げる方法を考えるとよい。
周易第十四卦・上九の爻の詳しい解説
上九の爻辞
上九。天がこれを助ける。吉であり、不利なことは何もない。
象伝にいう。「大有が大吉となるのは、天が助けるからである。」
現代語による説明
上九。天が守り助ける。吉で、何事もすべて順調である。
『象辞』にいう。「大有は大吉大利の卦である。天の加護を得るからである。」
北宋の易学者・邵雍の解釈
吉。これを得た者は先祖の加護を受け、一路好運に恵まれる。官職にある者や学ぶ者は昇進し、名を成す。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。一路好運で、何事も吉である。
財運。商品がよく流通し、自然に利益を得る。
家宅。福と慶びが家中に満ちる。
身体。神仏の加護を得るが、あるいは天に帰ることもある。

上九の変卦
"周易第14卦的其中之一变卦卦的卦图

上九の爻が変じると、周易の34卦、雷天大壮となる。これは異卦で、下に乾、上に震が重なる。震は雷、乾は天である。乾の剛が震の動きを受ける。天に雷が鳴り、雲と雷が轟き、音勢は大きく、陽気は盛んで万物が成長する。剛壮で力があるので「壮」といい、大きくかつ壮んなので「大壮」と名づける。四つの陽爻が盛んで、積極的に事を成す。上も正しく下も正しく、標がまっすぐなら影もまっすぐである。

上九爻の哲学的意味

同人卦第六爻・爻辞――上九:郊外で人々と親しむ。後悔はない。
上九は同人卦の最後の爻である。陽爻が柔位にあり、失位して勢いを得ていない。九三とは敵応し、六二からも遠く、その間を群陽が隔てている。無理に六二と交わろうとすれば、必ず多くの精力を費やし、争乱に陥る。だから最良の状態を無理に求めるより、身近な相手と交わるほうがよい。
「郊外」の人々と親しく交わり、争いなく静かに暮らせばよい。
象伝にいう。「郊外で人々と親しむ」とは、志がまだ成就していないということである。つまり「郊外に人々を集める」だけでは、初めの志を明らかに実現できていない。
この爻を得た人は、何かを成し遂げたい、重要な人物や志を同じくする人と交わりたいと思っても、その人と親しくなりたい者が多すぎて内争が起こり、自分には機会がないことがある。その場合は、より親しくなりやすい人と交わるほうがよい。
上九は乾卦の最外側にあり、乾は郊野を表すので、この爻に「郊外で人と親しむ」とある。どの社会にも、志を得られない人がいる。能力がありながら志を得られず、平凡な生活の中に隠れて暮らすしかない人を隠士と呼べる。上九はまさに一人の隠士である。志はかなわなくても、他の隠士とともに辺鄙な郊外で静かに暮らし、淡泊な生活を守って分不相応な望みを抱かないので、後悔することはない。これは諸葛亮が『外甥を戒める書』で述べたことに似ている。「そもそも志は高遠に立て、先賢を慕い、情欲を断ち、凝滞を捨て、志を明らかに立てて深く感じるべきである。屈伸に耐え、細事を捨て、広く問い、怠惰と吝嗇を除く。たとえ長く滞り流れに遅れても、どうして美しい志を損なおうか、どうして成し遂げられないことを恐れようか」。平淡な暮らしの中でこれらを実践できれば、進むべき時には進み、敗れた時には守ることが自然にできる。