易経 · 六十四卦

周易・易経 第7卦「師」――地水師、上が坤・下が坎

師。正道を守れば、長老は吉で、咎はない。

彖伝にいう。師とは大衆であり、貞とは正しいことである。大衆を正しく導ければ、王となることもできる。剛が中にあって応じ、危険を進んでも道に従う。このように天下を正せば民は従う。吉であって、どうして咎があろうか。

象伝にいう。大地の中に水があるのが師である。君子はこれにならい、民を受け入れ、大衆を養い蓄える。

易経 第 7 卦の本卦・互卦・錯卦・綜卦の図

易経 第 7 卦 原文と概説

周易第七卦の詳しい解説
師卦の原文
師。正道を守れば、長老は吉で、咎はない。
象伝にいう。大地の中に水があるのが師である。君子はこれにならい、民を受け入れ、大衆を養う。
現代語による説明
師卦。総司令官の軍事状況を占えば、災いはない。
象辞にいう。下卦は坎で水、上卦は坤で地であり、「大地の中に水がある」形が師卦の卦象である。君子はこの卦象を見て、川を受け入れる大地にならい、民を受け入れ、大衆を養う。
『断易天機』による解説
師卦は上が坤、下が坎で、坎宮の帰魂卦である。師は軍勢を意味する。徳が高く人望のある長老を選んで軍を率いさせてこそ、吉で咎がない。
北宋の易学者・邵雍の解釈
民と軍を苦労させるが、変化は尽きない。公正無私で、あらゆる困難を乗り越える。
この卦を得た者は困難が重なり、民を疲れさせることを心配する。人を包容し、苦労して努力し、あらゆる困難を取り除くとよい。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。他人を包容し、修行しながら時を待つ。
財運。財が蓄えられているので、大切に守る。
家庭。旧縁のある家同士の縁組で、喜ばしい。
健康。腹部の張りがあるが、気を調えれば心配はない。
伝統的な卦の解釈
この卦は異卦が重なり、下が坎、上が坤である。「師」は軍隊を指す。坎は水・険、坤は地・順を表し、農民の中に兵を置くことを示す。兵や戦争は凶で危険であり、用兵は聖人もやむを得ず行うものだが、情勢に従い、出兵に大義があれば、矛盾を滞りなく解決し、凶を吉に変えられる。
大象。兵を養い衆を集め、出兵して攻める象。双方が傷つき、安らぎを得にくい。
運勢。困難が重なる。何事も正規の方法で行い、独断専行や投機的な近道を避け、潜在する敵に注意する。
仕事。抵抗が大きく困難も多く、激しい競争の中にある。他人と密接に協力し、細心の注意を払い、行動は決断的にする。ただし盲目的に軽挙妄動せず、適度を守り、自分を守ること。機転を利かせ、自分には厳しくする。落ち着いてすべてに対処すれば、必ず成功する。
商売。ある程度の蓄えがあり、大規模な販売活動に取り組めるが、激しい商戦に巻き込まれる。剛毅で粘り強い精神と高い商業倫理に、柔軟な方法を加えること。小利を貪らず、油断せず、他人との意思疎通を強めれば、困境を脱し危険を安全に変えられる。
名声を求めること。条件は非常によいが、正しい導きが必要である。自分に厳しく要求し、不利な要因の妨害を克服して、着実に努力すれば、名誉と利益の両方を得られる。
結婚・恋愛。慎重かつ一途でなければ、三角関係の争いに陥る。ひたむきに求めれば目的を達成できる。
決断。生まれつき聡明で、性格は柔軟、意志が強く、仕事にひたむきで、困難に向かって進める。大事業を成し遂げられる。競争を好み、弁舌に長け、冒険心もあるため、多少の問題は避けにくい。成熟して慎重であり、功を焦らず、中正を第一とすること。

第七卦の哲学的意味

師卦は異卦が重なり、下が坎、上が坤である。「師」は軍隊を指す。坎は水・険、坤は地・順で、農民の中に兵を置くことを示す。兵や戦争は凶で危険だが、用兵は聖人もやむを得ず行うもの。しかし情勢に従い、出兵に大義があれば、矛盾を円滑に解決して凶を吉に変えられる。この卦を得れば、軍を率いて出征するには非常に有利で、必ず災いがない。師卦は天馬が群れから抜け出す卦で、少数で多数を制する象である。
師卦は訟卦の後に位置する。序卦では次のように説明する。「争いがあれば必ず大勢の者が立ち上がるので、これを師で受ける。師とは大衆である」。争う人々が次第に増え、ついには軍隊を形成するのである。
象伝は師卦を次のように解釈する。下卦の坎は険と水、上卦の坤は地と順である。卦全体は地の下に水がある形となる。地下に潜む水は尽きることがなく、兵士が農民の中から生まれることを表す。したがって、この卦は師を象徴する。君子はこの象に学び、平素から大地が水を蓄えるように民を受け入れ養い、人民の中に兵の力を蓄えて、戦時に尽きることなく用いる。
師卦の象には、寅・午・未を示す虎・馬・牛がある。台上に将軍が立ち、兵権を掌握している。印を持つ者が地にひれ伏しているのは、賞を受けることを示す。天馬が群れから抜け出す卦で、少数で多数を制する象である。

易経 第 7 卦 爻ごとの詳解

周易第七卦・初九爻の詳しい解説
初六の爻辞
初六。軍を出すには規律による。規律を守らなければ凶である。
象伝にいう。軍を出すには規律による。規律を失えば凶となる。
現代語による説明
初六。軍を整えて戦いに出るには、すべて規律に頼らなければならない。規律を守らなければ危険になる。
象辞にいう。軍を整えて戦いに出るには、すべて規律に頼る。規律の拘束を失えば危険を招く。
北宋の易学者・邵雍の解釈
凶。この爻を得た者は、経営を正しく行えば財貨が日に日に増す。しかし軽挙妄動する者は、成功が少なく失敗が多い。不正な者は危険や刑罰、傷害が多い。官職にある者は慎んで正道を守れば、上司に評価される。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運:道理に背いて利益を求めれば、最後にはその辱めを受ける。
財運。海運業では、義にかなえば吉となる。
家庭。家を規律によって治める。そうでなければ凶となる。
健康。寒の症状が熱より強い。早めに治療するとよい。

初六の変卦
"周易第7卦的其中之一变卦卦的卦图
初六が動くと、周易の19卦「地沢臨」となる。この卦は異卦で、下に兌、上に坤が重なる。坤は地、兌は沢を表す。地は沢より高く、沢は地に抱かれている。君主が天下に自ら臨み、国を治めて安寧をもたらし、上下が親しく調和することを示す。

初九爻の哲学的意味

師卦の第一爻・爻辞の解釈
「律」は軍規・規律。「否蔵」はよくないこと、ここでは軍紀を守らないことを指す。
この爻辞の意味は、出兵して戦うには厳正な軍紀が必要であり、軍紀が乱れれば必ず凶となるということである。
卦象から見ると、初六は陰爻でありながら陽位にあり、しかも下卦の坎の中にいる。才能も資質も弱く、能力も乏しく、正道に戻ろうとしない末端の兵士のようである。このような兵士には軍紀を明確にし、厳しく統制しなければならない。そうでなければ軍全体がばらばらの砂のようになり、戦う力を失う。
この卦を得た人が経営者や指導者なら、必ず規律を厳正にすることに注意すべきである。人柄のよさより制度のよさが重要だ。すべての行動に基準を定め、それを厳格に実行すれば、部下の仕事は整然とする。下の者を厳しく統制しなければ、会社や組織は危険に直面する。
周易第七卦・九二爻の詳しい解説
九二の爻辞
九二。軍中にあって吉、咎はない。王が三度命を賜る。
象伝にいう。軍中にあって吉なのは、天の寵愛を受けるからである。王が三度命を賜るのは、万国を懐かせるからである。
現代語による説明
九二。総帥が軍中にいて指揮を執る。吉で災いはない。王が三度、賞賛の命を下す。
象辞にいう。総帥が軍中で指揮するのが吉なのは、天の寵愛を受けるからである。王が三度賞命を下すのは、総帥が万国を懐柔できるからである。
北宋の易学者・邵雍の解釈
吉。この爻を得た者は貴人に出会い、計画を成し遂げる。官職にある者は上司に認められ、昇進の機会がある。学ぶ者は優れた成績を得る。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。傑出した人材として大いに評価される。
財運。優れた策略によって、指導者が利益を得る。
家庭。近隣から尊敬され、結婚は吉である。
健康。血と気を巡らせれば、病は楽になる。

九二の変卦
"周易第7卦的其中之一变卦卦的卦图
九二が動くと、周易の2卦「坤為地」となる。この卦は同卦で、下にも上にも坤が重なり、陰の性質を持つ。乾と対になる地を象徴し、天に従い、万物を載せ、限りなく広がる。坤卦は牝馬を象徴とし、地の道が万物を生み育てながら、天に従い時に応じ、柔順な性質を持つことを示す。「先に迷い、後に得る」ことによって、坤が乾に従い、乾に随うことを示している。そうしてこそ正しい方向をつかみ、正道に従い、吉を得られる。

九二爻の哲学的意味

「王」は君王。「命を賜る」は命令を下すことで、ここでは賞賛・褒賞の命令を出すという意味である。
この爻の意味は、軍中で統帥を務め、中を保ち偏らなければ吉で災いがなく、王から何度も賞命を受けるということである。
卦象から見ると、九二は下卦の中央にある。九二と六五は正応し、六五は天位、すなわち天子の位である。六五が九二を全面的に支えるため、九二は褒賞を受け、重い任務を託される。
象伝にいう。「軍中にあって吉」とは、天の寵愛を受けることである。「王が三度命を賜る」とは、万国を懐かせることである。
この卦を得た者は召公虎に学ぶべきである。正しく歩み、端正に行動すれば、災いはなく、賞賛と昇進を得られる。
九二は三軍の総帥として大権を握るので、自然に吉で災いがない。この重任を受けることは、天子から信頼され寵愛されていることを示す。君主が三度命を下すのは、国を安定させ天下を治めることへの大きな期待を寄せているからである。九二は君位にある六五と応じるため、君主の命を受けられる。『周礼』には「一度命を受ければ職を授かり、二度命を受ければ服を授かり、三度命を受ければ位を授かる」とある。これら三度の命が非常に大きな権力を与えるものだと分かる。古人は、この爻が武王が軍を率いて功績を立て、文王から褒賞を受けたことを指すと考えた。当時、武王はまだ即位していなかったため、まだ「君」と呼ぶことはできなかった。

周易第七卦・九三爻の詳しい解説
六三の爻辞
六三。軍が死体を車で運んで帰ることがある。凶である。
象伝にいう。軍が死体を車で運ぶのは、大いに功を失うことである。
現代語による説明
六三。軍が出征し、死体を載せて帰る者がいる。凶の兆しである。
象辞にいう。軍が出征して死体を載せて帰るのは、前線で敗北したことを示す。
北宋の易学者・邵雍の解釈
凶。この爻を得た者は悲しみが多く、家族が病死することもある。官職にある者は任命されても空席を待つことになる。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運。徳がないのに地位に就けば、凶は避けられない。
財運。物資が消耗し財産を失い、極めて危険である。
家庭。安らぎを得られない。何よりも注意すること。
健康。命を落とす可能性がある。

六三の変卦
"周易第7卦的其中之一变卦卦的卦图
六三爻が変じると、周易の第46卦「地風升」となる。この卦は異卦で、下に巽、上に坤が重なる。坤は大地と従順を、巽は木と謙譲を表す。大地から木が生え、次第に成長して高く大きな材となる姿は、事業が一歩一歩向上し、前途が広大であることをたとえる。そこで「升」と名づけられた。

九三爻の哲学的な意味

師卦・第三爻の爻辞の解釈
「輿」は車両を指す。「死体を車で運ぶ」とは、車に死体を載せて運ぶことで、軍が敗れた状態を表す。
この爻の意味は、兵士たちが時おり戦場から戦死者の遺体を運び戻ってくるということで、凶兆である。
卦象から見ると、六三は陰爻でありながら陽位に居る。性質は柔弱なのに、焦って無謀に進もうとする。下卦・坎の上端にあり、坎は危険を表すため、六三は極めて危険な状況にある。十分に警戒して守りを固め、盲目的に進んではならない。しかし六三は九二の上に乗っており、これは総大将の配置を聞かず、軍令に逆らい、敵を軽視して無謀に進むことを意味する。そのため必ず大敗して帰ることになる。
象伝はいう。「師、あるいは死体を車で運ぶ」とは、大きな功績がまったくないということである。兵士が時おり戦死者の遺体を運び戻るのは、己と敵を知っていないことの表れである。敵が強く自軍が弱いのに、身のほどをわきまえず攻めた結果、敗北し、功績は何一つ残らない。
出兵して戻った結果、車に載せているのが戦利品ではなく、すべて戦死した兵士の遺体なら、どうして凶兆でないことがあろう。一方では、戦場の危険をくぐり抜けた末に敗れて帰ったことに違いない。他方では、総大将も今回の出征を指揮した将領を許さないだろう。これが帰還後に待つ危険である。
周易第七卦・九五爻の詳しい解説
六四の爻辞
六四。軍を左に退かせて宿営する。咎はない。
象伝はいう。「左に退いて宿営しても咎はない」とは、常道を失っていないからである。
現代語による説明
六四。軍隊が左側に宿営すれば、危険はない。
象辞はいう。「軍隊が左側に宿営しても危険はない」。軍が左に駐屯するか右に駐屯するかは、地勢と敵味方の情勢によって決めることであり、行軍の常道に背いていないからである。
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。これを得た者は、安らかに暮らし仕事に励み、みだりに動く災いを避けられる。官職にある者は出世運が振るわず、妄想を抱かない方がよい。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運:官運は振るわない。妄想を抱いてはならない。
財運:二級品でも、なお利益を得られる。
住まい:東寄りで南西に向くのが吉。婿入りしても咎はない。
健康:春に生気が戻れば、病は癒える。

六四の変卦
"周易第7卦的其中之一变卦卦的卦图
六四爻が変じると、周易の第40卦「雷水解」となる。この卦は異卦で、下に坎、上に震が重なる。震は雷と動きを、坎は水と危険を表す。内に危険があり、外に動きがある。厳冬には天地が閉ざされ、静けさが極まってから動き始める。万物が一新し、冬が去って春が来て、すべてが解け去る。これが「解」である。

九四爻の哲学的意味

師卦・第四爻の意味の解釈
「左」は、古代の軍隊では右を尊び、右は前進、左は退却を意味した。「次」は二日以上駐屯することを指す。『左伝』には「およそ軍は、一泊を舎、二泊を信、信を過ぎれば次とする」とあり、これが「次」の説明である。
この爻辞の意味は、損害を受けないよう、軍を一時的に退かせるということである。
六四を見ると、陰爻が柔位に居るので、退避する象がある。
象伝はこの爻を「左に退いて宿営しても咎はない」と解釈する。これは常道を失っていないことを示す。
この卦を得た者は、客観的な状況に応じて、速やかに自分の配置や計画を調整すべきである。よりよく目標を実現するため、しばらく退くのが最善である。
ここで人々に説いているのは、戦争では必ず勝利を求めなければならないわけではないということである。勝てないときには、退いて戦力を保つことを知らなければならない。そうしてこそ、大きな災難を避けられる。毛沢東が唱えた遊撃戦は、この意味を体現している。「敵が進めば我は退き、敵が退けば我は撹乱する」という戦略方針は、自軍の戦力を温存すると同時に、敵を効果的に消耗させた。古語にも、勝敗は兵家の常だという。しかし敗戦の中でも、戦力を保全し、損失を減らす術を知らなければならない。たとえば諸葛亮は岐山に六度出兵し、いずれも敗れたが、撤退の際には巧みに布陣し、大きな人的損害を出さず戦力を保った。そのため、岐山への六度の出兵で六度敗れても、諸葛亮の神業のような用兵という輝かしい名声は損なわれなかった。
周易第七卦・九五爻の詳しい解説
六五の爻辞
六五。田に禽がいる。理由を明らかにして捕らえるのがよく、咎はない。長男が軍を率い、弟たちは死体を運ぶ。正しさを守っても凶である。
象伝はいう。「長男が軍を率いる」とは、中道に従って行うこと。「弟たちが死体を運ぶ」とは、人の使い方が不当だったことを表す。
現代語による説明
六五。狩りでは獲物を得、戦いでは捕虜を捕らえるので、災いはない。長男が軍を指揮し、次男は敗れて戦死する。これは凶兆である。
象辞はいう。「長男が軍を指揮する」とは、正しい中道に従っていること。「次男が敗れて戦死する」とは、人の使い方が不適切だったためである。
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。これを得た者は財が日々増える。人材を適切に用いれば望みは成就するが、小人の危害には十分注意しなければならない。官職にある者は実権を握るか、諫言によって地位が高まる。学ぶ者は良い成績を得る。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運:才能より徳を重んじること。そうでなければ凶である。
財運:老練で世故に通じ、利益を得られる。
住まい:長男に有利。仲人によって縁談がまとまる。
健康:走るなどして体を鍛える。

六五の変卦
"周易第7卦的其中之一变卦卦的卦图
六五爻が変じると、周易の第29卦「坎為水」となる。この卦は同卦で、下も坎、上も坎である。坎は水と危険を表し、坎が二つ重なるため危険の上に危険が重なり、障害が続く。一陽が二陰の間に陥っている。幸い陰は虚、陽は実であり、誠があれば道は開ける。危難が重なっていても、その中でこそ人間性の輝きが現れる。

九五爻の哲学的意味

師卦・第五爻の爻辞の解釈
「理由を明らかにして捕らえるのがよい」とは、狩猟に関する表現である。野に獣がいることは、国家に反乱を起こす者がいることにもたとえられる。これらが出兵の理由なので、人々にその理由を明らかにすれば、大義のある出兵となり、災いはない。
卦象から見ると、六五は陰爻で君主の位にあり、中に居るが正位ではない。陰爻が君位にある場合、一般に陽剛の気は乏しいが陰柔の徳を備えるため、自ら攻撃を始めず、平和と正義を唱え、臣下には謙虚で、賢者を敬い身分の低い者にも礼を尽くす。この卦では、敵が侵攻してきたことは明らかで、正義の戦争である。臣下たちは六五を強く支持し、戦う意気込みも高い。ここで重要なのは、六五が人を見抜き、適材適所に任用できるかどうかである。
六五の爻辞について、象伝は次のように解釈する。「長男が軍を率いる」とは中道に従って行うこと。「弟たちが死体を運ぶ」とは、任用が不適切だったことを示す。爻辞全体を見ると、前半は大義のある出兵であり、災いはないと言っている。
周易第七卦・上六爻の詳しい解説
上六の爻辞
上六。大君が命を下し、国を開いて家を継がせる。小人を用いてはならない。
象伝はいう。「大君が命を下す」とは、功績を正しく評価することである。「小人を用いてはならない」とは、必ず国を乱すからである。
現代語による説明
上六。国君が命令を発し、ある者は諸侯に封じられて封国を与えられ、ある者は大夫に封じられて采邑を与えられる。しかし才能も徳もない小人を重用してはならない。
象辞はいう。「国君が功臣を封賞する命を発する」とは、功に応じて賞することである。才能も徳もない小人を重用してはならない。小人は必ず国を覆し、天下を乱すからである。
北宋の易学者・邵雍の解釈
平。これを得た者は家計を築くか家業を継ぐことができるが、小人に邪魔されないよう注意が必要である。官職にある者は権力を握り、功を立てる。専門家は技芸によって名を成す。
台湾の国学大家・傅佩栄の解釈
時運:功績に応じて賞し、小人のように振る舞わないこと。
財運:富によって貴い地位を得るが、小人には注意すること。
住まい:家運が栄える。身分の高い人が仲人となる。
健康:通常の運動をする。

上六の変卦
"周易第7卦的其中之一变卦卦的卦图
上六爻が変じると、周易の第4卦「山水蒙」となる。この卦は異卦で、下に坎、上に艮が重なる。艮は山の形で止まることを表し、坎は水の形で危険を表す。卦の形は山の下に危険があるのに、なお進み続けて止まらない姿であり、蒙昧を表すので蒙卦と呼ぶ。しかし機をとらえ、時にかなった行動をするなら、啓蒙と通達の象も備える。

上九爻の哲学的意味

師卦・第六爻の爻辞の解釈
「大君」は君王、天子を指す。「国」は諸侯の領地を指し、功績のある者を諸侯に封じることである。
領地を与える。「家」は大夫の領地を指し、功臣を大夫に封じて領地を与えることである。
この爻の意味は、凱旋して朝廷に戻ると、天子が詔を下して功臣を封じ、ある者は諸侯、ある者は上卿、ある者は大夫にするが、小人を決して重用してはならないということである。
上六は戦いが終わり、軍が朝廷へ凱旋して、功績を論じ賞を与え始める時を指す。この爻は主に、戦った将兵をどのように封賞すべきかを示している。
この卦を得た者が経営者や指導者なら、従業員や部下が成績や貢献を示したとき、必ず功に応じて賞を与えなければならない。ただし小人を褒め賞するときは、その方法に注意する必要がある。
ここで述べているのは、武王が紂王を滅ぼし、諸侯を封じた時の情景である。この時、武王はすでに即位して天子となり、諸侯の盟主となっていたため、「大君」と呼ばれる。「国を開き家を継がせる」とは、功績のある将軍や謀士を各地に封じることである。武王が最初に賞した謀士は姜子牙で、周の軍師であり斉の祖と呼ばれた。斉国の建国者だったため、「斉の祖」とされたのである。新たな政権を築いた後、最も注意すべきことは「小人を用いてはならない」であった。